赤ちゃん肌のようになりたい、という女性は多いですよね。
赤ちゃん肌というと、キメが細かくふわっとしたきれいな肌を思い浮かべるのではないでしょうか。
さわらなくてもスベスベでみずみずしい感じが伝わってきます。
赤ちゃん肌が理想の肌、という声も聞きますが、赤ちゃん肌ってどういう状態の肌なのでしょうか。
Contents
赤ちゃん肌は、実は未熟な肌
赤ちゃん肌が理想、という人は多いかもしれませんが、赤ちゃん肌は実は発達の途中の未熟な肌なのです。
何もしなくても健康的できれいな状態が保てている、というわけでもないんですね。
肌の機能もまだ未熟ですから、表皮の資質量や角層のアミノ酸量も少なく、環境による影響も受けやすいんです。
確かに、シワやシミはまだないかもしれませんが、その見た目とは違い、未熟な状態の肌は、荒れた肌と同じような状況なんです。
成長と共に肌の機能は完成する
未熟でデリケートな赤ちゃんの肌から、成長するとともに肌の機能は完成します。
若い肌は、ピチピチとしてハリがあり、肌のキメは極めて細かく、皮丘や皮溝の凹凸は明瞭です。
成長ホルモンの分泌も活発なため、肌のターンオーバーもきちんと繰り返され、肌の潤いを保つ保湿成分も充実しています。
血管も丈夫なので、肌に栄養が行き渡った状態です。
一方、皮脂腺や汗腺が盛んで脂性肌に傾く傾向があります。
皮脂の成分はスクワランなどを含み、肌のバリア機能を高めるためには重要な成分ですが、ニキビなどを作りやすくしてしまうデメリットもあります。
加齢により、肌は変化する
若い頃のきれいな肌から、加齢により肌はどのように変化していくのでしょうか。
加齢によって皮脂腺や汗腺は衰え、皮脂、トリグリセライド、スクアレンなどの成分が減少します。
肌のターンオーバーが衰えることから、肌の潤いを保つセラミドなどの生成が間に合わなくなります。
ケラトヒアリン顆粒が減少することで、天然保湿因子も減少します。
角層細胞の大きさは表皮のターンオーバーが早いと小さく、遅いと大きくなると言われていますが、加齢によって角層細胞面積が大きくなるため、キメが荒くなり、凹凸も浅く不明瞭になり、毛穴も大きくなります。
肌が衰えると表皮が薄くなってちりめんジワが寄ってきます。
このように、皮膚の機能が低下して萎縮し、細胞数が少なくなって皮膚が薄くなっていく状態を自然老化と言います。
速さや程度の違いはありますが、誰もがたどる老化現象です。
紫外線を浴びることによっても肌は老化します。
このような紫外線を浴びることによって衰えることを光老化と言います。
自然老化
自然老化では、皮膚の機能が低下して萎縮し細胞数が少なくなることで皮膚が薄くなっていきます。
湿度が10%の環境に6時間滞在すると、角層の水分量が時間と共に低下していき、肌の粗さが増していきます。そしてランガー割線に沿って小じわができます。
このように、空気が乾燥していると角層が乾燥し、水分含有量が低下することで角層の物性が変化して一過性の小じわを作り出します。
一方、眉間や目尻、目の下、額のシワのように固定されたしわは、湿度の変化には影響されません。
光老化
固定された深いシワは、光老化によって刻まれます。
光老化では皮膚は厚く、弾力性が無くなります。
光老化では紫外線によってコラーゲンを分解するマトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)が多くなることが知られていますが、コラーゲンが分解されてしまうとシワは増えることになります。
皮膚の基底層のヘパラン硫酸プロテオグリカンのへパラン硫酸鎖を分解するヘパラナーゼも紫外線で増えてしまうのですが、このことは基底膜にも大きな影響を与えます。
最近の研究結果では、紫外線だけでなく赤外線や可視光も皮膚のコラーゲン合成を低下させ、MMPを産生することがわかってきました。
表情ジワ
表情ジワは、顔の表情筋の動きによって刻まれます。
顔の表情に伴って変化することが多い、目尻や口角の部分には表情ジワができやすいのですが、これは表情筋の動きによってその部分の真皮の構造が変化するためです。
目の開閉によっても表情ジワができます。
目を開けると額と下まぶたにシワができます。
目を閉じると眉間、鼻根、上まぶた、目尻にシワができます。
上を見上げるときには額にシワができます。
このような表情の動きが毎日繰り返されることと、自然老化と光老化が合わさって固定ジワになっていきます。
タルミ
たるみは表皮、真皮、皮下組織の成長が止まり、その下の脂肪組織や筋肉の体積が小さくなることで起こってきます。
肌の柔軟性があればたるみ、肌の弾力がなくなり伸縮できなくなるとシワができやすくなります。
若々しい肌を保つために大切なこと
健康で美しいとされる肌は、角層が潤っているので透明感があり、ふっくらとした柔らかさと表面のなめらかさを兼ね備えています。
皮膚には、もともと乾燥から体を守る機能が備わっていますが、メイク落としや洗顔による洗浄、温度、湿度、紫外線、さらに加齢の影響などによって皮膚表面の水分量が失われていきます。
これらの乾燥を防ぐためには、保湿化粧品が有効です。
肌に水分を塗ると、一時的には水分量は高まるのですが、すぐに蒸発してしまって元の状態に戻ってしまいます。
そこで、肌に水分を与えるためには、保湿化粧品を使います。
保湿化粧品は、保湿剤、閉塞剤、柔軟剤からできていて、角層の保湿やバリア機能維持に効果を発揮します。
保湿剤には、グリセリンなどのポリオール類、尿素、乳酸、アミノ酸類などがあり、肌に水分を与え乾燥を防止します。
真皮に存在するヒアルロン酸も保湿剤として使われています。
このヒアルロン酸をアセチル化したアセチル化ヒアルロン酸は、優れた角層殉難効果を発揮するため、スーパーヒアルロン酸とも呼ばれています。
閉塞剤には、ワセリン、流動パラフィン、ワックス、シリコーン油などがあり、保湿性や保水性は少ないのですが閉塞性が高く水分蒸発を抑えるもので、油性成分が主に使われています。
柔軟剤には、高級アルコールやエステルなどがあり、肌に保湿感や柔軟剤を与えるものです。
これら以外に、ビタミン類やセラミド産生促進物質なども配合されています。
これらをバランスよく配合した保湿化粧品は、肌の潤いを保ちます。
肌を健康に保つために必要な栄養
肌を健康に保つためには、2つの栄養が大切です。
一つ目は、植物からとる栄養で、食事やサプリメントから摂取します。
二つ目は、クリームのように肌の上に塗布することで、皮膚に栄養を届けます。
クリームなどの効果は、即効性がありますが、本来の美肌づくりという意味では、食品やサプリメントからとる栄養素が大切なものとなります。
食べて美しい肌を作ると言われる「美容食」は、昔から関心を持たれていました。
クレオパトラはビタミンCの多いルッコラやマグネシウムやカリウムの多いデーツを食べていたと言われています。
また、楊貴妃はライチやつばめの巣を食べていたと言われています。
真珠を巣に溶かしたものや真珠の粉も飲んでいたそうですが、これはカルシウムとアミノ酸を摂取することができます。
ナイアシンの多いヒラメの縁側、ビタミンAの多いウニやコラーゲンたっぷりで鉄や亜鉛を含むフカヒレなどの海産物も美容食として人気です。
タンパク質は不足すると肌表面がカサカサし弾力やハリがなくなります。
皮膚の健康にはビタミンは非常に大切なもので、ビタミンが不足すると、まず肌に現れます。
ビタミンは油に溶ける油溶性ビタミンと、水に溶ける水溶性ビタミンとに大きく分けることができます。
油溶性ビタミンにはビタミンA,D,E,Kがあります。
油溶性のビタミンは、主に感染や皮脂腺の機能や爪や毛、血液に関係します。
水溶性のビタミンには、ビタミンB群やビタミンCがあります。
ビタミンB群は皮膚の新陳代謝を盛んにし皮膚を生き生きとさせます。皮膚の毛細血管を丈夫にして血液循環を良くします。
ビタミンCは日焼け後の肌荒れを抑え、メラニンの増加を抑えます。
このように、素肌の美しさを保つためには、表皮だけではなく真皮や皮下組織、そして体全体を健全に保つ必要があるのです。